イールド(Yielding Embodiment®Orchestration )とは
「Yielding Embodiment®Orchestration (イールド)」はこの世界に「安心に身を委ねる」ためのボディワークです。
人と人、空間との共鳴、間合いを用いて、肉体と心がより居心地良い世界との関係性を築けるように、施術者と受け手が共に探求していきます。
自己調整能力の扉を開く鍵となるのは、身体感覚です。
最初に、お互いにより涼しく、抵抗なくいられる場所を探します。
空間、間合いが変化することで、体感も変わるのを感じてみてください。
わからなければ、より「好き」かそうではないか、くらいのぼんやりした感じでも大丈夫です。
その場所に留まりながら、起こることをただ共に眺めていきます。
「いま、なにが起きていますか?」
「いま、どんな感じがしますか?」
「なにか気付いていることはありますか?」
など、問いかけていき、それに対して感じていることを答えてもらいます。
これは正しい答えがあるわけではなく、身体感覚に意識を向けたときに起こる微細な内受容感覚の変化を感じてもらうためです。
呼吸は止めずに自然にしておくと、深さの変化に気づきやすいと思います。体の内側の変化に気づくことも、体の外側の変化に気づくことも、あるでしょう。
体のどこか特定の場所にふと意識がいくかもしれないし、膜がゆるんでいく感じ、体の設置面が広がる感じ、逆に縮こまる感じに気づくことも。
外側の気配が動いたり変化する感じや、空間の広がり、あるいは狭まりに気づくかもしれません。
できれば、より心地良いところや、より脱力しやすいかどうかに意識を向けていきましょう。脱力はしても身体の弾力は失われず、心地よい張力を保ちます。
天気のように移りゆく変化を感じ、見守りながら、ただともにある。そのようにして、より体が場に「イールドする=委ねる」のを待つ。
ただそれだけで、体の構造や、そこに内包される心の深い場所からの変化が起きていくのを感じることでしょう。イールドして、自分の身体の重さを重力に委ねられるようになると、身体の構造が浮き上がるような感覚が生まれてくることもあります。
イールド(委ねる)とは、ヒトが成長するときに最初に行う動作でもあります。生まれたての赤ちゃんがお母さんに抱かれているところを想像してみてください。そのイメージのように、私たちが休息する時には、安心して身を預けるための対象物が必要なのです。
対象物に身をあずけるほどに、私たちの神経系は落ち着きをとりもどし、安心・安全の感覚をリソース(資源)として使えるようになっていきます。
私たちが人生を通じて培ってきた緊張のパターンをほどき、より原初的な細胞レベルからの安心・安全の感覚をもたらす。自分自身の肉体が己にとっての快・不快を明確に感じとる羅針盤のような感覚を養う。
イールドを体験する方が身体構造・機能の回復を感じることも多くありますが、それはあくまでも副次的な効果。こうした「身体的体験」を味わうことだけでも、大きな価値があるのです。
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